まったく同じ鶏むね肉と、まったく同じサラダを食べていても、一方が他方より300キロカロリーも多く摂っている――そんなことが起こります。違いはお皿の上の食材ではありません。フライパンに入れた大さじ1杯の油、葉物にかけたドレッシングのひと回し、そして誰も数えようとしなかったソースのひとさじです。
調理油やソースは、家庭料理でいちばんカロリーを見落とされがちな存在です。食材にからんでしまえば見えなくなり、ボトルからはあっという間に注げて、ほとんど誰も記録しません。せっかく気をつけた1日を、こうした油やソースに静かに台無しにされないための方法を紹介します。
なぜ脂質が一番やっかいなのか
脂質はタンパク質や炭水化物の2倍以上のカロリーを持っています――1グラムあたり約9キロカロリー、それに対して他は4キロカロリーです。つまり脂質は、キッチンにある食材の中でも群を抜いてカロリー密度が高い。しかも厄介なことに、計量もせず、ボトルから直接、目分量で足してしまうのがこの脂質なのです。
熱したフライパンにオリーブオイルを「軽くひと回し」したつもりでも、それが小さじ1杯で済むことはまずありません。たいていは大さじ2杯近くになっています。
どんな油でも――オリーブ、サラダ油、ココナッツ、バター――大さじ1杯は約120キロカロリー。種類が違ってもこの数字はほとんど変わりません。「ヘルシーな」油でも、ひとさじ120キロカロリーなのです。
ですから、野菜を炒めた油のほうが、野菜そのものより簡単にカロリーが高くなることだってあります。これが落とし穴です。目に見える食材は記録しても、実際に合計を押し上げている脂質はスルーしてしまうのです。
見落としワースト、ランキング
人が最も忘れやすいものを、おおむねワースト順に並べると次のとおりです。
- 炒め物や焼き物に使う油 ―― 野菜炒め1皿に大さじ2杯はごく普通で、それだけで約240キロカロリー。ほぼ記録されることはありません。
- サラダのドレッシング ―― クリーム系やオイル系のドレッシング大さじ2杯で150〜200キロカロリー。下にあるサラダ本体は40キロカロリーかもしれないのに。
- バター ―― トーストにひと塗り、フライパンにひとかけ、ステーキの仕上げにひとのせ。それぞれ50〜100キロカロリーで、1日を通すと積み重なります。
- クリームソース・チーズソース ―― クリームソース1/4カップで、からめるパスタを抜きにしても200キロカロリー超になることも。
- 「ヘルシーな」トッピング ―― ナッツバター、ペスト、タヒニ、マヨネーズ。どれも素晴らしい食材ですが、どれも大さじ1杯で90〜100キロカロリーです。
計量せずに見積もるには
油をはかりに乗せる必要はありません。必要なのは、いつもなら無視してしまう「ひと注ぎ」を数える習慣です。
- 調理しながらスプーンを数える。 フライパンに入れる油やバターは、大さじ1杯ごとに約100〜120キロカロリー。頭の中で足し算しながら、記録に残しておきましょう。
- 計量しなかった分は半分にして考える。 フライパンに目分量で油を注ぎ、作ったものの半分を食べたなら、油も半分は食べています。「全部は食べてないから」を、脂質をなかったことにする言い訳にしないこと。
- ドレッシングは別添えに。 別の器でもらってフォークでつければ、お店が注いでくれる量のほんの一部で済みます――しかも、自分でだいたいどれくらい使ったかが把握できます。
ただ説明するだけ――脂質も込みで
ここが、データベースを探すより「食べたものを説明する」ほうが勝るポイントです。「グリルチキンサラダ」というデータベースの項目は、あなたのフライパンにどれだけ油が入っていたか、ドレッシングをどれだけ気前よくかけたかなど知りようがありません。知っているのはあなただけです。
ですから記録するときは、脂質も声に出して言いましょう。「鶏むね肉を大さじ1杯の油で焼いて、サラダにランチドレッシング大さじ2杯」。このひと言が加わるかどうかで、見積もりが正確になるか、250キロカロリーも少なく出てしまうかが分かれることはよくあります。
これを直す、たった1つの習慣
いちばんよく使う脂質を1つだけ選び――多くの人にとっては調理油です――1週間、毎回欠かさず記録してみてください。調理の仕方を変える必要はありません。ただ数えるだけ。たいていの人は心から驚きます。記録していなかったその脂質こそが、すでに作れているつもりだった赤字との間に立ちはだかっていた200〜400キロカロリーだった、と。見えるようになって初めて、どうするかを決められます。それまでは、食べた食事と数えた食事の差――ただそれだけが残るのです。
